「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」今はどこ?

株式投資・投資信託

この記事を書いている2023年2月上旬の相場は、直近の米国雇用統計では予想を大きく超える数字が示され、景気が悪くなるとは思えないという雰囲気になっていること、また、インフレ対策として2022年から政策金利を大幅に引き上げた結果、インフレも頭打ちしたような数値が示されており、米国のリセッションは起きない(または浅いリセッション)なのでは?という思惑により米国株は強い値動きとなっています

相場には4つのサイクルが存在するとされており、その循環を想定することで損失を回避できる可能性は十分あります

今回はその相場の4つのサイクル「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」と、それを利用した投資方針の考え方について書きたいと思います

4つの相場

相場には4つのサイクルがあり「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」と言われています

このサイクルは循環して繰り返していると言われており、現在、将来の株式相場の動向を確認、予想する上で参考にできます 下記に4つの相場と、それぞれの特徴、その相場で注目される業種(セクター)についてご紹介します

出典:日本経済新聞

金融相場

不景気で企業業績が悪化すると株価は下がるため、政府は景気と株価を刺激するために景気対策等を講じ、中央銀行は政策金利を下げるなどの金融緩和を行います

そうすることで、市中に流通する資金量を増やして金余り状態を作ることで景気対策を行いますが、結果的に「金余り」の資金は、貸し出しとなって設備投資に回るか、余剰資金として株式市場に流れ込むことにより「不景気の株高」を生み出すことになり、「いわゆる金余り」の状況の時におとずれる相場が「金融相場」といわれています

金融相場では、金利、為替など「国の政策」のほうが「企業業績」よりも重視され、企業業績回復期待で先行して株価が上がります

企業業績の回復は株価に対して遅れるため、株価指標であるPERやPBRが割高であっても期待で株が買われることから株価が先行してあがる傾向があります

この相場で買われる業種(セクター)は「景気敏感セクター」や「不動産」など金利低下によるメリットを享受する企業が注目されます

また、業績よりも期待が先行する相場のため「バイオセクター」なども人気になりやすい傾向があります

業績相場

景気がよい時や企業業績の上昇が目立つときの相場のことを「業績相場」といいます

「金融相場」での景気対策等の効果により企業業績が回復しはじめるため、金融相場の次のサイクルとなりやすいです

「業績相場」では、「国の政策」よりも個別銘柄の業績等の「企業業績」が注目され株価が上昇することが多いです

「金融相場」で先行して株が買われ割高となったPERやPBRなどの株価指標も企業業績の回復によって割高感が薄れていく状況でもあります

この相場で買われる業種(セクター)は、「業績」や「景気拡大でメリットを受ける企業」などが注目される相場です

逆金融相場

「業績相場」では、「景気が良い」→「給料があがる」→「消費が増える」→「物価が上がる」ことから、政府や中央銀行の大事な役割の一つである「インフレになることを抑制し、物価を安定させる」必要があることから、金融引き締め(金利をあげる)を行うことからそのような相場を「逆金融相場」といいます

「金利が上昇する」と、投資家は株式よりもメリットがある商品(債券など)に資金を振り向ける傾向があることから「逆金融相場」では、株価は下がりやすい状況となります

この相場で買われる業種(セクター)は、「金利上昇でも業績に影響の出にくい無借金企業など財務が安定(バランスシートが健全)な企業」が注目される相場です

逆業績相場

金融引き締め(金利の上昇など)により景気が悪くなり、企業業績が悪化することで株価が下がる相場を「逆業績相場」といいます

この相場で買われる業種(セクター)は、「景気と業績の連動性が低い医薬品セクター」や「インフラ、生活必需品セクター」「高金利が収益増に繋がる金融セクター」も注目される相場です

相場サイクルを確認することで思わぬ損失を回避できる可能性

株式相場は、今の景気や企業業績よりも半年、1年先の状況を表していると言われます

そのため期待などで先行して「不景気の株高」と言われるような不思議な株価の動きをすることがあります

セクターごとの株価の動きを確認し、今、株式市場はどのサイクルなのかを確認することで、次の相場の準備をしておくことで、投資先の選択やポジション変更の決定ができると思います

相場を定期的に確認し続ける重要性

相場は景気と金利のサイクルで4つの相場で循環することを取り上げましたが、そのスイング(波)の大きさやサイクルの長さはわかりません

過去を確認すると米国株式相場では2009年から景気拡大がはじまり2020年まで過去最長となったことがよく言われています

この期間は「低金利・低インフレ」で、企業業績が安定的に拡大する 業績相場が長く続いたことから株価上昇局面が続きましたが、今後もそうなるかは誰にもわかりません

ですが、相場のサイクルが変わるキッカケになるのは、中央銀行の金融政策や世界的な疫病の蔓延、戦争などになりますが、定期的に確認できるのは各国の中央銀行が行う「金融政策決定会合」や「金融政策に大きな影響を与える雇用統計」などの重要経済指標を定期的に確認し続けていくことしかありません

また、同時に業種(セクター)ごとの株価の動きも定期的に確認していくことで、今の相場がどの局面にあるのかを意識することができるのではないでしょうか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました