「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」が公表されましたが、昨年に比べ激減していたため詳細を確認してみたいと思います
この調査結果は、日本銀行情報サービス局内に事務局がある「金融広報中央委員会」が集計した全国5000世帯を対象としたデータとなりますが、ここでは2人以上世帯調査結果を取り上げるため対象世帯数は5000世帯ではございません
また、単身者のデータは「こちら」、総世帯のデータは「こちら」にありますのでお気を付けください
前回の「令和3年版」の公表結果は以前取り上げておりますので気になる方はご覧ください
平均貯蓄額
上記は「二人以上世帯の金融資産保有世帯3843世帯」の平均値となります
金融資産を保有していない世帯を含めた平均値は次の図となりますのでお気を付けください
見てみると、全国平均は「1,698万円」と前回の「2024万円」から大きく減少しています
とはいえ、まだまだ退職金が入る60歳代以上は一番貯蓄額がピークになる傾向は変わっていませんね
20歳代の平均値は前回の「344万円」から「339万円」と減少はしているものの、収入が少ない時期でも頑張って貯蓄しているなぁと感じました
20歳代といえば、学生の頃よりも収入がある分、やりたいことや結婚、その他色々な人生のイベントが目白押しの年代ですので貯蓄しずらい中、頑張っていらっしゃることがわかります
こちらが「金融資産を保有していない世帯も含む」貯蓄額一覧ですが、平均値は前回の「1,563」から「1,291万円:まで低下しています
前回と比較してみると若い世代の金融資産非保有率は低下しているものの高齢者ほど金融資産非保有率が高くなっていた点は気になります
「金融資産非保有」がどの世代も2割近くいらっしゃる点は前回同様変わっていません
中央値とは
一番右に「中央値」の記載がありますが、これは例えば1億、2億の人を含めたまま平均してしまうとその数字に大きく影響を受けてしまうため、数字分布の真ん中付近の値をとったものが「中央値」であり、現実的な数値に近いといわれております
収入からどれだけ貯蓄しているのか
年間手取り収入からどれだけ貯蓄しているのかについては、全国平均は11%と前回と変わりませんでしたが、年代により少し割合が低下していました
前回驚いた20歳代で手取り収入の35%以上も貯蓄している人が15%いたのですが今回は13.6%でした
実家で生活させてもらうなどして「支出を抑制」することができるのが、若いうちの特権でもある気がしますので、若いうちに資産運用を始めて時間を味方に、人生の選択肢を増やしていってほしいなと思います
地域別の貯蓄額
最後に「地域別」の紹介です
「関東」と「中部」が平均値では飛びぬけているのは前回同様でした
中央値では前回「北陸が542万円」で抜けていたのですが、今回は「中部が550万円」と上回りました
中央値が「関東」よりも「中部」が上回っているのは、コロナによって経済が停滞したものの、製造業の多い「中部」は好調だった現れだったのではないでしょうか
資産が一番多い「中部」でサービス業を経営すれば儲かるのでは?という発想があるのですが、中部はかなり「財布のひも」が固いというか「目新しいものに注目」はしますが、「次から次へと新しいものを探している感がある」ため、顧客を定着させリピートさせるのはなかなか大変かと思います
前回以上に「北海道」の中央値が240万円から150万円に低下していたり、離島の中では一番大変な状況となっていることもわかりました
まとめ
今回は「二人以上世帯の貯蓄額」について取り上げました
平均貯蓄額では前回同様20歳代の方も頑張って貯蓄されていることがわかりました
平均値と中央値では、やはりかなりの違いがあることもわかりました
地域別の貯蓄額では平均値は「関東」、中央値は「中部」が上位であることがわかりました
調査結果のデータには、今日紹介した内容以外にも「種類別金融資産保有額」や「NISA,iDeCo、外貨建金融商品保有額」など色々集計されていますので、興味がございましたらぜひ「知るぽると」からデータをダウンロードして確認してみてください
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