日本銀行総裁の任期満了が2023年4月8日のため、現在の黒田総裁の後任が誰になるかで将来の金融政策が大きく変わることから注目となっていますが、そもそも日本銀行とは何をしているところなのでしょうか?
日本銀行の目的
物価の安定
日本銀行の目的の一つとして「物価の安定」があります
物価の安定は、経済が安定的かつ持続的成長を遂げていくうえで不可欠な基盤であり、日本銀行は金融政策を通じて国民経済の健全な発展に貢献するという役割を担っています(日本銀行法第1条第1項、第2条)
金融システムの安定
決済システムの円滑かつ安定的な運行の確保を通じて、金融システム(お金の受け払いや貸し借りを行う仕組み)の安定に貢献することも日本銀行の目的となっています(日本銀行法第1条第2項)
具体的には、金融機関に対する決済サービスの提供や「最後の貸し手」としての役割を担っています
日本銀行はどのような業務を行っているのか?
銀行券(お札)の発行・流通・管理
国内唯一の「発券銀行」として銀行券を発行し、金融機関との間で銀行券の受払を行い、安定供給を確保するとともに、受け入れた銀行券の鑑査(枚数の計査、真偽の鑑定および再利用可能性の判別)など、銀行券自体の信認を確保しています
決済に関するサービスの提供
金融機関から当座預金を受け入れ、当座預金の振替によって金融機関の間の資金決済を行うシステムを提供しています
また、国債振替決済制度など国債の決済システムも提供しており、国債取引に伴う受渡しを帳簿上の口座振替などによって処理しています
金融政策の運営
物価の安定させることを目的に金融政策を決定・実行しています
金融政策とは、オペレーション(公開市場操作)などの手段を用い、金融市場における金利や金融機関が貸出を行う際の金利の形成に影響を及ぼすことを通じて、企業や個人の投資・消費行動に働きかけることです
「金融政策決定会合」において、金融経済情勢に関する検討を行い、次回の会合までの金融市場調節方針や、金融政策の運営に関して決定します
「金融政策決定会合」終了後には、金融市場調節方針をはじめとする決定事項、経済・物価情勢の評価および先行きの金融政策運営の考え方を公表しています
また、金融市場調節方針に従って、日々の金融調節の金額や方法を決定し、資金の供給や吸収を行っています
金融システムの安定に向けた取り組み
金融システムが正常に機能し、企業や個人などが安心して利用できる状態を確保するため、金融機関に対し「業務運営の実態や各種リスクの管理状況」「自己資本の充実度や収益力について」の実態調査を行い、経営の健全度の維持・向上を促しています
また、一つの金融機関の破綻等が原因となって、他の金融機関や金融システム全体などに連鎖的な混乱と機能低下をもたらすリスクの顕在化を回避するため、必要に応じて、一時的に資金が不足した金融機関に資金を供給して対応します
国の事務の取扱い、対政府取引に関する業務
政府預金として預かっている国庫金(国の資金)の出納・計理、政府預金の管理および政府有価証券の受払・保管などの事務(国庫金に関する業務)、国債の発行、振替決済および元利金支払いに関する事務(国債に関する業務)、政府を相手方とした国債の売買などの取引(対政府取引に関する業務)も行っています
国際業務
外国為替の売買、外国中央銀行や国際機関等による円貨資産の調達・運用への協力などを行っています
また、各国の中央銀行を参加者とする各種国際会議への参加などを通じて、金融市場安定化のための取り組みやグローバルな金融経済情勢の議論、市場環境整備などの作業にも参画しています
このほか、外為法の届出書・報告書などの取り扱いや、財務大臣の指示に基づいて遂行する為替介入(外国為替平衡操作)なども行っています
日本銀行に関する様々な情報は「教えて!にちぎん」
その他色々な情報は日本銀行HP「教えて!にちぎん」をご覧ください
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